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耳・鼻・のどに見られるいろいろな症状とその原因

1.耳

■耳が痛い、耳だれが出る、耳がかゆい

急性中耳炎:風邪や上気道炎によって鼻やのどが腫れて炎症がおこった後に、耳と鼻をつなぐ耳管を介して、細菌やウイルスにより鼓膜の奥に炎症をおこした状態です。 子供さんでは、耳の痛みと共に発熱を起こすことが多く、鼓膜に穴が開くと耳だれがでてきます。

慢性中耳炎:以前に中耳炎を繰り返すことで鼓膜に穴が残ってしまった状態です。風邪や上気道炎などの急性の炎症を契機として、耳漏が出てきます。

外耳炎:鼓膜よりも手前の耳の中の皮膚が炎症を起こした状態です。

 

■聞こえが悪い、耳が詰まった感じがする、耳に水が入った感じ、耳鳴り

突発性難聴:ある時突然、耳の聞こえが悪くなる病気です。ウイルス感染や血流障害などの可能性が考えられていますが原因不明です。鼓膜の奥にある蝸牛といわれる耳の聞こえの神経の末端付近に障害が起こっていると思われるため、早期にステロイド剤などの薬を用いた治療が必要です。めまいを伴うような場合には入院加療が必要な場合もあります。

滲出性中耳炎:急性中耳炎などの後に、鼓膜の奥の炎症が治りきらずに水がたまった状態です。水がたまった状態が続き、きこえが悪い場合には鼓膜切開といって鼓膜に小さな穴をあけて水を抜きます。また繰り返し鼓膜切開が必要な場合には、鼓膜にチューブと言って換気用の管を置くこともあります。

耳垢栓塞:耳垢が耳の中にたまり固まった状態です。硬くてとりにくい場合には薬を使って柔らかくした後に、取り出します。

 

2.鼻

鼻水が出る、鼻が詰まる、くしゃみが多い、鼻水がのどに落ちてくる

急性、慢性副鼻腔炎:通常の風邪などでは鼻水、
のどの痛み、発熱などの症状が数日で軽快しますが、副鼻腔炎を起こした場合には、風症状の後も頑固な鼻つまりやねばねばした鼻水が続き、鼻水がのどに回ってきたり鼻から頬や顔の奥に痛みが生じてきたりします。慢性化した場合には通常より長めに薬を飲む治療がありますが、ポリープを伴い治りにくい場合には手術が必要な場合があります。

アレルギー性鼻炎:くしゃみ、(さらさらした)鼻水、鼻つまりが特徴的です。ほこりやダニなどが原因の場合には一年中これらの症状が続きますが、季節ごとの花粉が原因の場合には、花粉が飛んでいる期間これらの症状が見られます。特に多いのが春先の2-4月に飛ぶスギ花粉が原因で起こるスギ花粉症です。4月から5月にも同様の症状が起こる場合にはヒノキの花粉症が疑われます。

 

 

鼻血が出る

特発性鼻出血:鼻中隔といって、鼻の奥を左右に分ける骨と軟骨でできた板状の壁があります。
この鼻中隔の前のほうで、小鼻の内側付近にはキーセルバッハ部位といって、粘膜の下に血管が密になっている部位があります。子供さんが鼻をかんだりこすったりした際に、傷がついてしまうとここから出血を起こしてしまうことがあります。小鼻を抑えた状態で、少し下を向き、鼻血がのどに回らないようにして数分圧迫し続けておくと多くの場合には泊まります。大人の方で特に高血圧などの持病がある方では、もっと奥のほうから出血している場合があるため、必要に応じて出血部位を電気凝固したりガーゼなどを鼻の奥に入れて強く圧迫して血を止めることが必要な場合もあります。

鼻副鼻腔腫瘍:鼻の奥にできたできもの「腫瘍」から出血を起こすことがあるため、内視鏡などもちいて鼻の中の深い部位を観察する必要があります。


臭いがしない

嗅覚障害:臭いの神経は、眼と眼の間の高さで鼻の奥の上方深いところに末端があります。このため、鼻の病気で強い鼻づまりを起こして臭いを起こす成分がこの鼻の奥の深いところまで届かない場合、においが感じなくなります。また、鼻が詰まっていなくても風邪の後のウイルス感染や、頭を強く打って臭いの神経が障害された場合にも臭いがしなくなります。ステロイド系の点鼻薬などの治療で改善する場合もありますが、長期に及ぶと治りにくになるため早めに対応することが必要です。
 

 

3.のど

のどが痛い、のどが腫れている、声がかすれる

感冒、急性咽喉頭炎:ウイルス感染や乾燥などを契機にのどの奥が炎症を起こした状態です。のどの乾燥に注意をして、うがいをしたり症状に応じて痛み止めや解熱剤などを使用します。

急性扁桃炎:のどの奥の両側にある口蓋扁桃(一般的に扁桃腺といわれている)が細菌やウイルスなどによって炎症を起こした状態です。扁桃全体が赤くはれて、その表面に膿栓といって白いぶつぶつしたものがついていたり、白苔といって全体が白い膜状のものに覆われたりします。のどの痛みが強く、高熱の原因となります。さらに扁桃の周囲に炎症が及ぶ場合には咽頭痛も強くなるため、場合によっては入院が必要な場合もあります。
 

 

のどが詰まった感じがある、のどの異物感がある

逆流性食道炎:胃の中には食べたものを消化する胃酸という強い酸があります。またのどと食道、食道と胃の間は括約筋と言って周囲から食道を圧迫して内腔を閉じている筋肉があり、通常は胃の中にある胃酸が上方の食道やのどまで上がってこないようになっています。この胃酸が胃内から食道へと逆流して上がってきたり、さらにのどまで上がってくると、この強い胃酸のために胸やけのような症状が起こり、ときにのどの違和感を生じることがあります。胃酸を抑える薬で対応しますが、食事の後すぐに横にならないなどの対応も必要です。

咽頭腫瘍:のどにできものが生じる場合にも、その初期の段階では違和感のみしかない場合もあるため、たばこやお酒の飲む習慣がある方では、軽度の症状であってもできものがないかどうかを内視鏡を用いてチェックする必要があります。

咽喉頭神経症:内視鏡検査などにて特にのどに、炎症やできものなどの病気が見つからない場合にも、のどの違和感だけが続く場合があります。ストレスなどが原因となっていることが多いですが、原因となるような病気がのどにないかどうかチェックが必要です。

 

4.顔面

顔が動かしにくい

顔面神経麻痺:朝起きて鏡を見たら顔の動きが悪くなっていた、水を飲もうとしたらこぼれてしまう、笑うと顔がひきつれる、といった症状が起こります。その多くはベル麻痺といって原因不明でおこる顔面神経の麻痺です。顔の麻痺と共に耳たぶが赤くはれたり水ぶくれを起こしたり聞こえが悪いなどの症状が見られる場合にはハント症候群といって帯状疱疹(水ぼうそう)のウイルスが原因とされておいます。また、顔の動きの中で額だけは麻痺していらず動きが悪くない場合には、頭の中の病気が原因となっていることがあります。原因となるものがないかしっかり調べたうえで、早目の治療を行うようにしましょう

 

頬が痛い、鼻から目の周囲が痛い

急性副鼻腔炎、副鼻腔腫瘍:副鼻腔という顔の中にある空洞に強い炎症を起こしたり、その部位にできものができる場合には、副鼻腔そのものとその隣り合った部位の頬や目や頭の痛みなどを起こすため、内視鏡など用いてチェックします。

 

5.めまい

目がぐるぐる回る、ふわーとする、立ちくらみがする

「めまい」と表現する場合には、いろいろな状態のものがあり、人によっては「天井がグルグルまわってしまう」「なんとなくふわふわした感じがある」「立ち上がった瞬間に目の前が真っ暗になって一瞬フーとした感じになる」など様々です。このため、めまいをおこす病気にはいろいろなものが含まれています。睡眠不足、貧血や血圧の高い低いといったものが原因のものから、脳卒中(脳出血、脳梗塞)と共に耳の病気が原因で起こるものがあります。血圧の問題や頭の病気は、それぞれ内科や神経内科、脳外科などで見ていただくのがよいと思われます。耳鼻科では、耳の中にあって体の平衡覚、バランスに関係した前庭、三半規管に生じた病気を取り扱います。


良性発作性頭位めまい症:半規管のなかはリンパ液でみたされていますが、その中にある耳石という石が元の場所から外れてしまった場合、体を動かした際に重力に応じて石が半規管内を移動します。その際に中のリンパ液も動きその動きに応じて半器官が刺激され回転性のめまいを生じる病気です。「寝ていて起き上がろうとした際にぐるぐるめまいがした」「横になって寝返りをしたときにめがまわった」といった症状が見られます。その際には頭の動きに応じて「眼振」という特徴的な目の揺れが生じるため、特殊なメガネをかけて眼振の有無とその性状(向きや時間)を調べることで診断します。めまいの症状は徐々に良くなってきますが、めまい体操などを行うことでめまいが起こりにくいようなリハビリを行うこともあります。

メニエール病:ぐるぐる回るめまいと共に、耳鳴りや聞こえにくい感じがおこります。 ストレスを契機にめまい発作をおこすことがあるため、日常生活で規則正しい生活習慣をつけて再発防止に努めることが大切です。

前庭神経炎:風邪症状の後に、数日単位で強いめまいが生じます。前庭神経に炎症を起こすことが原因であり、めまいがおちつくまで少し安静が必要となります。

 

6.その他

首に腫れものがある

頸部リンパ節炎:頸にあるリンパ節が、細菌やウイルスなどによって炎症を起こし腫れる場合。鎮痛薬などを用いて対応しますが、時にステロイド薬を使用することもあります。

頸部リンパ節腫脹:通常の炎症性変化以外で首のリンパ節が腫れている場合には、腫瘍性病変によって腫れている場合があります。口やのどにできたできもの「腫瘍」によって首のリンパ節が腫れてしまったり、「リンパ腫」といって体全体のリンパが腫れる病気が首の腫れを契機に見つかったりすることがあります。これらの腫瘍性病変がないかを内視鏡を用いて検査します。

 

飲み込みにくい、むせこみがある

嚥下障害:口から食べたものをゴクンと飲み込むと、すぐにのどから食道から、さらに胃に送られていき消化されます。この際に、食べたものがうまく飲み込めずのどの奥に詰まってしまったり、食道でなく気管にはいってしまいむせこむことがあります。のどの神経の問題でのどの感覚が悪かったり、動きが悪いせいで起こったりする場合や、のどにできものができている場合にも飲み込めなかったりしますが、年齢によってものみこみの機能が低下します。のどの感覚が鈍ってくるために飲み込んだ際に起こる呑み込みの動作が遅れて生じたり、年齢と共に筋力低下によってのど仏がさがってきますが、ゴクンと飲み込むときにのど仏が下がっているために飲み込む動作時の移動距離が長くなったり、年齢と共に唾液に変化が出てきて、以前に比較すると量が少なくなりねばねば度が増してきます。
唾液自体はのどの潤滑油的な役割をするためこの唾液が少なくねばねばすることも影響します。その他いろいろな要因で飲み込む力が低下します。 飲み込む力が落ちて、食べたものが気管に入ったりすると肺炎を起こす危険性が生じます。こまめに歯を磨いて口の中を清潔に保つ、水分をこまめにとったりうがいをしてのどを潤す、食べ物の性状に気を付ける(パサついたものは避ける)、水を一気飲みしない、嚥下体操(舌を突き出したり、ものを飲み込んだ後息こらえをしてのど仏を高い位置に保つ、など)をするなどして誤嚥防止に心掛けましょう。